A290
車両を静止させ、パーキングブレーキをかけると、「車両から家電等への」(V2L)給電機能により、電気機器を直接車両に接続できます。
このシステムは、車両のトラクションバッテリ 電気自動車 に蓄えられた電気エネルギーを使用して、AC 電力(最大で 16 A/3.7 kW)を供給します。
V2L 給電コネクタを使用すると、車両前方の充電ソケットを使用してさまざまな電気機器を接続および操作できます。
重要な推奨事項
warning
これらの手順をよくお読みください。これらの指示に従わないと、火災、重傷、感電のリスクが発生し、死亡する可能性があります。
V2L 給電機能を使う場合に注意すべき点。
損傷や感電につながり得るため、自宅への給電はお止めください。
V2L 給電機能使用中の洗車やエンジンルームでの作業はお止ください。
次の場合には、V2L 給電機能を使用しないでください。
- V2L 給電コネクタまたは車両の充電ソケット内に水分がある場合。
- 車両の V2L 給電コネクタまたは充電入力ソケットに損傷(破損、腐食の兆候、変色など)がある場合。この場合は、認定ディーラにご連絡のうえ、交換をご依頼ください。
- 屋外使用の状況で天気が悪い場合(降雨時や落雷危険がある場合など)。
V2L 給電コネクタ上に金属の物を置くのはお止めください。
V2L 給電機能の使用中にV2L 給電コネクタを改造したり、コネクタへの干渉を行ったりするのはお止めください。
V2L 給電コネクタにアダプタを接続するのは絶対にお止めください。
V2L 給電コネクタを取り扱うおよび使う場合に注意すべき点。
必ず車両に付属の V2L 給電コネクタをお使いください。車両に付属の V2L 給電コネクタはその車両専用です。お客様の安全を確保するため、メーカー非推奨 V2L 給電コネクタの使用は固く禁じられています。お使いの車両に適した V2L 給電コネクタの詳細については、認定ディーラーにお問い合わせください。
V2L 給電コネクタに他のものを接触させたり、V2L 給電コネクタの AC 出力ソケットから延びている電源ケーブルを用いて機器を吊るしたりするのはお止めください。損傷のおそれがあります。
V2L 給電コネクタの取扱いにはご注意ください。接続中にコネクタを分解する、水に浸すまたは引っ張ることや、コネクタに他のものをぶつけることはお止めください。コネクタは、定期的にその状態を点検しながらお使いください。
電気/電子機器を使う場合に注意すべき点。
機器(延長ケーブル、マルチプラグなど)は、取扱説明書を参照し使用上の注意事項を確認してから差込みおよび使用してください。
次のものは差し込まないでください。
- 医療機器に代表される、直流電流が必要な機器。車両の稼働状況によっては給電が中断されることがあります。
- 消費電流が 16 A 超の機器。
- 国の規制や基準に反する機器。
- 損傷のある機器(ユニット、ケーブルなど)。
- 当初の段階では使用推奨機器であったが、使用環境の変化(粉塵や水に触れる危険のある環境に変わったなど)により環境に適合しなくなった機器。
- 複数のマルチプラグ。使用中は、消費電流が 8 A 超の製品を接続しないでください。
- 長さが 20 m超の延長コード。使用する場合は、必ず完全に伸ばしてお使いください。
車両から家電等への(VLC)給電コネクタ A
- 1.
充電ソケット。
- 2.
作動警告灯。
- 3.
ON/OFFスイッチ。
- 4.
保護カバー。
- 5.
AC 出力ソケット。
V2L 給電コネクタは、トランクフロアマット下のツールキット内に格納されています。
tip
V2L 給電コネクタの保守整備は、コネクタが切り離されているか確認してから実施してください。
コネクタは、少し濡らした布で清掃します。
清掃の際には、腐食を避けるため、コネクタの端部(コネクタ、充電ピン)に濡れた布が接触しないよう注意してください。
作動
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V2L 給電機能の使用中は、パーキングブレーキをかけた状態に保ってください。
tip
V2L 給電コネクタは、必ず所定の順序で接続/切離ししてください。
tip
デバイスは、V2L 給電コネクタ表示灯 2 の消灯を確認してから接続または切離ししてください。
V2L 給電コネクタを接続するには
次のように、車両を静止させた状態で、開閉部のロックを解除し、イグニッションスイッチを OFF にします。
- 充電口フラップ 9 を押し、ロックを解除します。
- コネクタ 8 のハンドルを持ち、その端部 1 を、車両の充電ソケット 7 に接続します。
- ハンドル 8 を軽く引く方法で、V2L 給電コネクタが正しく接続されているか点検します。給電は、ソケットロックが有効化されると開始されます。V2L 給電コネクタは、車両に対し自動的にロックされます。これにより、コネクタは車両から外れない状態になります。
- 電気機器を V2L 給電コネクタ AC 出力ソケット 5 に接続します。
- V2L 給電コネクタスイッチ 3 を、表示灯 2 が緑色点灯するまで 3 秒以上押します。V2L 給電機能が有効化され、充電ソケット 10 上の表示灯が緑色点滅し、該当電気機器に給電されます。
注: V2L 給電コネクタが車両にロックされている状態ではハンドル 2 を引かないでください。
使用中は、インストルメントパネル上に次の情報が表示されます。
- 車両が V2L 給電コネクタに接続されていることを示す表示灯 11。
- バッテリ充電残量の下限値に達するまでの概算時間 12。
- バッテリ充電残量 13。
注: 次の場合には自動的に電源が OFF になります。
- V2L 給電機能の未使用状態(電気機器が V2L 給電コネクタの AC ソケット 5 に接続されていない状態、または電力消費がない状態)が約 1 時間に達した場合。
- 上限電力容量を超える電気機器が接続された場合。
- V2L コネクタスイッチ 3 を少なくとも 3 秒間押します。
- トラクションバッテリについて、マルチメディアディスプレイから設定したバッテリ充電残量の下限値に達した場合。
給電が遮断されると、その旨をドライバーに知らせるためのメッセージがインストルメントパネルに表示されます。
V2L 給電コネクタを切り離すには
カードを所持した状態か、車両開閉部のロックを解除した状態で次のように作業します。
- 充電ソケットの横にある給電停止ボタン 6
を押します。表示灯 2 と、充電ソケット 10 上の表示灯が消灯し、V2L 給電機能が無効化されます。 - V2L 給電コネクタの車両へのロックは自動的に解除されます。これにより、コネクタを車両から切り離すことができます。
- 電気機器を切り離し、V2L 給電コネクタのハンドル 8 は持ったまま約 15 秒以内にコネクタを車両から切り離します。この時間内に切り離さないと、充電ソケット 7 は自動的に再ロックされます。
- 充電口フラップ 9 を閉じ、押してロックします。
- V2L 給電コネクタを保管場所に収納します。
tip
充電口フラップ 9 を開けたまま車両を運転するのはお止めください。V2L 給電コネクタを車両から切り離したら、充電口フラップ 9 が正しく閉まっているか確認します。
設定
トラクションバッテリの充電残量下限値は、マルチメディア画面 14 から設定できます。
詳細については、マルチメディア機器の取扱説明書を参照してください。
作動異常
作動不良に陥ると、V2L 給電コネクタ上の表示灯 2 が消灯し、V2L 給電の電源が自動的に切れます。ドライバーにその旨を知らせるメッセージがインストルメントパネル上に表示されます。
V2L 給電機能の内部で不具合が生じると、「V2L 給電不可 V2L 要確認」というメッセージがインストルメントパネル上に表示されます。この場合は、電気機器と V2L 給電コネクタを切り離します。メーカーにお 問い合わせください。
V2L コネクタの AC ソケットに接続されている機器が原因で V2L 給電機能に不具合が生じると、「V2L 給電不可 通信機器故障」というメッセージがインストルメントパネル上に表示されるため、次のように対応します。
- 電気機器と V2L 給電コネクタを切り離します。
- 機器や V2L 給電コネクタに損傷がなく、電源プラグに破損または腐食がないか確認します。
- 電気機器が必要としている電力が、車両から給電可能な上限を超えていないか確認します。
不具合が直らない場合は、ルノー指定サービス工場にお問い合わせください。